
福祉用具専門相談に興味があるけど、漠然と不安がある



福祉・介護業界の今後が不安
高齢化社会で需要があるだろうけど、思い切って転職していいのだろうか?
未経験だから、がっつり介護職は自信がない。
調べてくうちに福祉用具専門相談員にたどり着いたけど、本当に就職していいか悩んでる
福祉用具専門相談員に興味を持ち、意を決して転職活動したのに後悔なんてしたくない。
介護・福祉業界の将来性などたくさんの不安がありますよね。
漠然とした不安を解消するために
- 福祉用具専門相談員を目指すメリット・デメリット
- 業界全体の安定性
- 企業選びのヒント
福祉用具専門相談員のメリット・デメリットを徹底解説します。さらに、実際に転職活動するならどんな企業選びをすれば自分に合うのか?提案していきます
筆者は福祉用具専門相談員歴12年、現役。福祉用具専門相談員の良いところ悪いところを経験してきました。
社会人5年目の28歳の時に他業種から転職してきた経験をふんだんに取り入れて記事を書いています。
不安を解消して、いつか一緒に働きましょう!
福祉用具専門相談員を職業にするメリット
せっかく転職をするなら、業界的に「長く働けるか」気になるところです。
福祉用具専門相談員は半分一般職、半分介護職という特徴があります。働いているだけで2つのスキルを獲得できるのは、今後のキャリア形成においても大きなメリットです。
AIに仕事を奪われない業務内容


SNSなどで見かける「AIに仕事を奪われる仕事」にまず該当しない職種です。利用者様の身体的状況、気持ち、住環境を全て考慮して福祉用具を選定するからです。特に利用者様の気持ちを想い測る必要があるので、まだまだAIに負けることはない
高齢化社会による安定
令和元年の65歳以上の高齢者の割合は28.4%となっている。65歳以上の人口が減少していくのが令和23年(2041年)という計算(内閣府資料)
令和4年度版 高齢社会白書
とは言っても、現役世代の人口も減少しているから高齢者率は高いまま維持していきます。
高齢者を対象としたサービスを提供するので、業界的にすぐに立ち行かなくなることはない。むしろ需要が多すぎて供給が間に合っていない状況です。



様々なリーフレットや商品の実機営業をして、比較的にすぐに成果につながるからモチベーションは維持しやすい。
新しいサービスを提案できる可能性
介護保険は公的サービスであり、財源にも限界がある。国の方針に大きく左右され、新しいサービスを国が行うのはもう難しいでしょう。だから、介護保険では補いきれない点を自費サービスとして提案できる機会が今後増えていきます。
例えば、ヤマト運輸・ALSOKさんが提供している「おまもりサービス」など。もともと介護とは関係ない企業さんも参入してきました。他業種の柔軟な発想が、介護業界にマッチする可能性は大いにあります。



靴にGPSを内蔵させて認知症の方の徘徊を早期発見できる取り組みもされてますよね。あなたの前職の経験を十分活かせる土壌は整ってます
万が一退職となったとしても・・・
一般職と介護職の要素が織り交ざった職種です。
退職後も一般職として、一般企業に再就職することができる。また、介護業界に興味が出れば、デイサービス職員など介護職に就くこともできます。
再就職先の間口が広いところは魅力的です。



家具屋さんやニトリなどへの再就職
デイサービス職員、社会福祉士を持っていれば病院のSWになる人もいました
では、福祉用具専門相談員の平均的なお給料など見ていきましょう!
福祉用具専門相談人の労働環境
全国の平均的なお給料などはこちら
就業者統計データー(全国) | 平均数値(全国) |
---|---|
就業者数 | 63,760人 |
労働時間 | 163時間 |
賃金(年収) | 386.1万円 |
年齢 | 42.3歳 |
求人賃金(月額) | 23.7万円 |
有効求人倍率 | 4.18 |
出典先のサイトから地域を選択できますので、あなたの地域に設定して確認して見て下さい
肌感覚では、従業員の年齢はもっと若い感じがしますけどね。メンテナンスしている従業員を含めると平均を押し上げてるのかなぁ。
メリットばかりではなく、デメリットを確認していきましょう!
福祉用具専門相談員を目指すデメリット
制度ビジネスであること


「国が○○はダメ」と決定したら、サービスを提供できなる恐ろしさがある。公的サービスに依存する形態に不安がある場合は、他の業界を選択することをおすすめします。
過去に・・・
- 介護ベット・車いすが介護2以上でないとレンタルできなくなった
- 要支援1・2、要介護1の高齢者は介護ベットがレンタルできない
- 介護保険とは関係なく「自費ベット」の誕生
- 価格は介護保険と同じ価格帯にしないと新規獲得できない
- 法改正により、売り上げが10分の1になる恐怖
介護ベットや車いすの利用に制限はなかったが、法改正により要介護2以上でないとレンタルできなくなった。介護ベットは意外にも、高齢者が初めて使用する福祉用具のトップ3に入ります。
転倒により骨折。布団からの起き上がり、立ち座りが不自由になり介護ベットの導入。この流れが王道です。転倒の段階では要支援1・2(軽度者)ということが多く、介護ベットがレンタルできません。
となると、企業としては介護保険とは関係ない「自費ベット」という商品を提供して、新規利用者様の獲得に尽力します。ただし、価格を介護保険と同じぐらいの価格帯にする必要があります。
例えば、介護保険で月々10,000円でレンタルしていた介護ベット。利用者様が1割負担だった場合、月々1,000円。それが、法改正により、総額月々1,000円に売り上げが下がってしまいました。
以上、制度ビジネスがゆえのデメリットになります。



ちなみに、契約書類の取り直し、ベットの入替作業など1,000円の中でやることになります
ただ、いっぽうで
チャレンジできる業界!
福祉用具のレンタル自体が消滅することはないが、給付の制限をかけられることはある。それゆえ、前述した通り「かゆいところに手が届く自費サービス」の提供が必要になります。今後増えていくでしょう。チャレンジ精神を十分発揮できることと、それが成果につながりやすい業界です



未経験・多職種からのアイディアは宝!
続いて、資金力・人材が豊富な大手がいいのかなぁ?詳しく解説していきます
企業選びのヒント
大手企業の方かいいの?
先に結論から
会社を選ぶにあたり、大企業だから有利、中小企業だから不利ということはない。
「会社」というより「あなた」の対応力や提案力によって決まる職種です。
その理由を解説していきます
大企業のメリット・デメリット
- 自社で福祉用具を購入できる
- メンテナンス施設が完備され、供給を早くできる
利用者様の病状によって、一刻も早い対応が求められることがある。
「即対応」ができることは大きなアドバンテージ
明日退院になりました!今日中にベット一式用意できますか?



緊急依頼をさばけるか否かで今後の関係性が変わる
デメリット
新しいことに関して柔軟性に欠けます。
社則にガチガチに縛られて、承認までに時間がかかる。



新しいリーフレットを作成しても、本社に承認を得るなど。いちいち面倒くさい!
中小企業のメリット・デメリット
- 小回りが利き、柔軟性がある
- 利用者様目線のきめ細かなサービスを展開できる可能性がある
大手の営業マンが独立して、自身で事務所を立ち上げる人も多い。その理由は柔軟性が魅力だから。
病院のSWと一緒に手すりの共同開発した人がおり、現役でバリバリ働いてます。
デメリット
「即対応」が難しい。
大手企業から福祉用具を借りて、利用者様に提供することもあります。いわゆる「又貸し」です。
大手企業により、納期が左右されるため即対応が難しくなってしまう。



緊急性の高い商品、ベット・マット・ポータブルトイレなどは、ある程度在庫で確保してるはず。でも、在庫以外の商品を指定された時がきつい
介護保険法により平等な機会を与えられている


ケアマネージャーさんは、1つの業者に偏らないように、均一に依頼を出すように定められてる。利用者様と契約を結ぶときに開示しなければいけない義務があります。
上記写真のように上位3社を公表しないといけません。
企業規模に関係なく、価格帯は同じ
- 上限価格・全国平均価格が設定されてる
- 上限価格より高いレンタル料金の設定は是正される
- 自社のレンタル代金と全国平均価格を説明する義務がある
- 企業規模に関係なく勝負ができる
福祉用具のレンタル料金には上限価格・全国平均価格が設定されています。
上限価格について
上限価格とは、商品一つ一つに○○以上の価格でレンタルしてはいけない決まり。
上限価格より高いレンタル代を設定している場合は、是正されます。
つまり、高値でレンタルできない
全国平均価格について
「全国の平均は○○」「当社は○○」と利用者様に説明する義務があります。
全国平均より高いと説明に骨が折れます。
ケアマネージャーも確認できるので、全国平均より高い業者だと依頼がなくなってきます。
そのためレンタル価格は全国平均価格に沿ってきている
つまり、価格によって勝負ができない。企業規模による資金力の違いは関係ない
いかに個人の魅力・能力で依頼を取得するかにかかってきている
併設施設があるかどうか?
福祉用具貸与事業だけでなく、介護施設を運営しているかどうかの見極めることです。とくに、介護職を離れて福祉用具専門相談員を目指す人は要チェック項目です。
異動により、介護施設に行く可能性があるからです。



1つの事業で成り立っている会社よりも収入源が他にある会社の方が安心感はある。
あなたの目的に合わせてチェックして下さい!
まとめ


福祉用具専門相談員を目指すメリット・デメリットを解説してきました。
業界的には需要が高まっているので、すぐに衰退する心配はない。ただし、制度ビジネスであるために法改正に大きな影響を受けてしまいます。
とはいっても、新たな「自費サービス」や発想がヒットする可能性は十分あります。制度ビジネスで規制されていた分、まだまだ開発されていないアイデアを発掘できる、面白い業界です
企業規模に関係なく、営業できるところも魅力のひとつです。
やはり
「企業」ではなく、「個人」の対応力・選定力・魅力で勝負できることが
福祉用具専門相談員の最大の魅力です。
あなたの希望が叶う職場に出会えるように心から祈っています。
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